出産準備の段階では、「新生時期には一体どのような服を着るべきなのか」「サイズや枚数をどうやって決めるべきなのか」と迷う方も多いかと思います。そこで今回の記事は、新生児や赤ちゃんの服選びのポイントについて解説していきます。
新生児の服は何を着せる?肌着とウェアの違いは?
新生児には綿100%の肌着やウェアを着せよう
新生児に着せる服には大きく分けて「肌着」と「ウェア」があります。いずれも綿100%で作られているものが基本で、赤ちゃんを優しく包み込むような服となります。
生まれたての赤ちゃんは肌が繊細で、首や腰も座っていないため身体もふにゃふにゃです。そのため大人や幼児が着るようなTシャツ、パンツといったスタイルではなく、赤ちゃん用の肌着やウェアを用意する必要があります。
また赤ちゃん用の肌着やウェアは素材が綿であるだけでなく、前開きなどねんねしたままでも着せてあげられるような設計になっています。おむつが変えやすいように、足元・お尻まわりがそのまま捲れるようなデザインになっているのもポイントです。
肌着とウェアは何が違うの?
肌着とは、赤ちゃんにとっての下着です。下着と言っても大人のように隠して着る必要はなく、外にも見せられるようなデザインになっているものも多いです。いわゆる赤ちゃんにとっての「デイリー服」であり、新生児期には必ず必要になるので出産準備で揃えておくべきものになります。
なお赤ちゃんは、温度調節機能がまだ発達していません。体温も37度前後と高く大人以上に汗をかきやすいのが特徴です。そのため肌寒い日であっても分厚いニットなどを着せるのではなく、綿の肌着を着せておくことになります。肌着同士を組み合わせたり重ねたりすることで、パパやママが適宜温度調節をしてあげましょう。
新生児期から活躍する肌着は、50〜60cmのサイズで作られているものが多いです。紐で止められるタイプを選ぶと、サイズが調整しやすいので比較的長い時期に着ることができます。なおブランドによっては、40cmや45cmなど身体の小さな赤ちゃんに向けたサイズを展開しているところもあります。
一方で肌着以外のウェアには、2WAYオールやカバーオールなどがあります。こちらは肌着の上から着せることが可能で、見た目にもおしゃれなのでちょっとしたお出かけにも適しています。ただし2WAYオールやカバーオールが活躍するのは、新生児期をすぎた1ヶ月検診よりも後の頃がメインになるでしょう。肌着のように小さいサイズを選ぶとすぐにサイズアウトしてしまう可能性が高いので、70cm〜などやや大きなものを選んでおくのがおすすめです。
また2WAYオールやカバーオールの他に、寒い時期に生まれた赤ちゃんに向けたおくるみやベストなどもあります。出産時期が冬シーズンの方は、綿の肌着以外にもおくるみやベストなど防寒具を用意しておくと安心です。
短肌着やコンビ肌着とは?新生児期におすすめの肌着種類と枚数の目安
<短肌着>もっともベーシックで新生児期に大活躍
- 特徴:ベーシックな肌着でインナーにも使える
- 枚数の目安:5枚前後
- サイズの目安:50〜60cm
毎日着る短肌着は、5枚前後を用意しておくと安心です。洗濯物が乾きにくい地域にお住まいの方や秋冬生まれで重ね着する機会の多い赤ちゃんなら、6〜7枚などやや多く用意しておいても良いでしょう。
ただし短肌着は、サイズアウトも早いので注意です。赤ちゃんの成長スピードにもよりますが、生後3ヶ月を終える頃には卒業してしまうことになります。大量買いしすぎると無駄になってしまうケースもあるので気をつけておきましょう。
<長肌着>足まで隠れる長さで冬生まれの赤ちゃんにおすすめ
- 特徴:短肌着よりも着丈が長い
- 枚数の目安:2〜3枚※不要な場合もあり
- サイズの目安:50〜60cm
短肌着よりも着丈の長い長肌着は、冬生まれの赤ちゃんや寒い地域で生まれた赤ちゃんにおすすめです。短肌着の枚数とバランスを見ながら。2〜3枚用意しておくと良いでしょう。
なお長肌着は、生後2ヶ月を過ぎ足元の動きが活発になってくると着せにくいと感じることもあります。特に夏生まれの赤ちゃんなどは、活躍時期がないので無理して用意する必要はありません。
<コンビ肌着>股下スナップがあるのでよく動く赤ちゃんにぴったり
- 特徴:短肌着の上に重ねて着せることができる
- 枚数の目安:5枚前後
- サイズの目安:60cm
こちらも短肌着と同じように4〜5枚程度揃えておくと安心です。なお着用時期や重ね着することを考えると、50cmなど生後すぐのぴったりサイズではなく60cm〜など短肌着よりもやや大きめのサイズを選んでおく方がいいでしょう。
<ボディスーツ>ロンパース肌着とも呼ばれるデザインのもの
- 特徴:はだけにくいので成長後の赤ちゃんにおすすめ
- 枚数の目安:5枚前後
- サイズの目安:60〜70cm
ボディスーツは前開きではないので、生後すぐの新生児期には着せにくいと感じるかもしれません。しかしその一方で紐が無いためはだけてしまうことがなく、活発に動き出す赤ちゃんにも着せることができます。短肌着を卒業する3ヶ月〜からの時期の下着として5枚前後用意しておくのがおすすめです。
カバーオール・2WAYオールなどお出かけにも使えるウェア
<カバーオール>全身を覆える洋服でお出かけシーンにぴったり
カバーオールはいわゆる肌着ではなくお洋服になります。そのため下に1枚肌着を着せてから着用させることになります。脚や腕まですっぽりと覆えるカバーオールは、防寒にもおしゃれにも役立ってくれるためお出かけの増える2〜3ヶ月以降の赤ちゃんにおすすめです。ねんね期やおすわり期、はいはい期の赤ちゃんが使用のメイン時期になります。サイズは70cm〜のものが多いです。
一方で立っちを始める生後10ヶ月〜1歳の誕生日前後になると、カバーオールは着せにくいと感じたり、サイズアウトしてしまったりと卒業の時期を迎えてしまいます。いわゆる0歳児だけが楽しめるファッションになるので、こだわりのデザインのものをぜひ選んでみましょう。
<2WAYオール>ボタンでデザインを変えられるので着用時期が長い
2WAYオールも、カバーオールのように洋服として着ることができます。カバーオールとの違いは足元のスナップが調整可能で、ワンピースのようにもカバーオールにも変化することができるという点にあります。そのためカバーオールよりも小さな月齢の時期から着せやすく、着用時期が長いです。なお一般的に販売されているカバーオールは70〜80cmのものが多いですが、2WAYオールなら50〜70cmなど間のサイズが探しやすいです。
<ベビーベスト>前開き・袖がないデザインは重ね着に便利
ベストは寒い時期の赤ちゃんにおすすめです。例えば肌着やカバーオールの上に重ねることができます。袖部分がないので、赤ちゃんにとって腕が動かしやすく、ストレスフリーに過ごしやすいのも魅力です。ただし夏生まれの赤ちゃんの場合は不要かもしれません。出産時期を考えてから、サイズなどを選び購入するようにしましょう。生まれてすぐに使用するというわけでないのなら、出産準備品として無理に揃えず、出産後にゆっくりとサイズを選んでも良いでしょう。
<おくるみ>赤ちゃんを包み込む布で防寒のほか寝具がわり・紫外線対策にも
おくるみは赤ちゃんを包み込む大判の布のことを指します。タオルよりも大きく毛布よりも薄手でコンパクトなため、防寒にも紫外線対策にも使うことができて便利です。生まれたての赤ちゃんは、ママのお腹の中にいるような安心感を求めます。そのため赤ちゃんをすっぽりと覆うことのできるおくるみは、新生児期から大活躍してくれます。アウターやベストのようにわざわざ着せる必要がないので、短時間赤ちゃんを温めてあげたい時などにおすすめです。
季節別・赤ちゃん服の着せ方と組み合わせ例
<春・秋生まれ>短肌着+コンビ肌着にウェアを合わせよう
春や秋は1年の中でもっとも気温が変化しやすい時期です。そのためその日の気温に合わせて服を調整するように心がけましょう。新生児の衣類系👚
— よつば 2y (@QnogN2) December 2, 2020
・短肌着3
・コンビ肌着3
・ボディスーツ2
・2weyオール1
短肌着は使わない人も多いみたいやけど春生まれ予定のため温度調整するのに必要かもと念のため3枚用意。
後は2weyオール1枚追加するぐらい? pic.twitter.com/tdVYii1PJB
基本的には「短肌着+コンビ肌着」の重ね着がおすすめです。気温を調節した室内なら、この2枚で十分でしょう。外出する際は、2枚の重ね着の上から状況に合わせて2WAYオールやカバーオールなどのウェアを着せるようにしましょう。
<夏生まれ>肌着1枚に半袖ウェアが◎薄手素材をなるべく選ぼう
自宅安静が暇すぎて、ずっと赤ちゃんの服見てる…可愛い💕可愛いすぎる‼︎‼︎‼︎(夏生まれだしほぼ肌着で良い、たくさん必要ないってわかってる…無駄遣いだってわかってる…けどぉぉぉぉ!) pic.twitter.com/opNGOVpk9Y
— ヘナちゃん@ 2021.6👧+2024.2👦 (@tentenonaji) May 17, 2021
夏は短肌着やコンビ肌着に、半袖のウェアを組み合わせるのが良いでしょう。活発に動き出した赤ちゃんは特に汗をかきやすいので、厚着をさせすぎないように注意が必要です。ボディスーツなど、1枚だけで肌着としても服としても過ごせるファッションもおすすめです。
夏向けの肌着の中には、メッシュ素材など通気性に優れたものもあるので生地の厚さや素材にも注目してみましょう。
<冬生まれ>3点の重ね着にベストなどをうまく活用して
私が暑がりで冬も肌着はタンクトップなので、赤ちゃんたちもタンクトップ。長袖に長袖もこもこして着せにくいし💦UNIQLOのこーゆータイプが1番使いやすい〜買いたそうかな pic.twitter.com/5NUkqEIhBQ
— rise🥯3y+9m (@riserise22) March 2, 2023
冬の赤ちゃんは、短肌着・コンビ肌着・長袖ウェアを組み合わせつつ調整をしましょう。ただし室内で過ごす場合は、着せすぎに注意しましょう。厚手の服を用意するのではなく、あくまでも旧汗性に優れた薄手服を準備しておき、着せ方で工夫しましょう。
外へのお出かけの際には、ベビーベストやおくるみなどでうまく体温調節をしてあげるのがポイントです。なおベビーベストやおくるみは直接肌に触れる面積は少ないですが、やはり綿素材など優しいものを選ぶようにしましょう。
<退院時の服装>定番の組み合わせのほかベビードレスも選択肢に
基本的に新生児の段階では、遠出するケースはほぼなく肌着・カバーオールなどが数点あれば十分に事足ります。しかし出産後に病院から退院する際には、記念なのでおしゃれをしたいと考える方も多いでしょう。
退院時やお宮参りなど記念・お祝い事の際には、上記に紹介した季節服のほか、「ベビードレス」も選択肢になります。レースやオーガンジーなど特別な素材で作られた赤ちゃん用のベビードレスが各メーカーから発売されているので、ぜひチェックしてみましょう。 【ベビードレス】
サイズや生地など新生児の服選びに関するポイント・注意点
1.サイズは身長や体重を目安に決めよう
月齢 | 身長の目安 | 体重の目安 | 洋服のサイズ |
---|---|---|---|
0ヶ月〜2ヶ月 | 40〜50cm | 3〜6kg | 50〜60サイズ |
2ヶ月〜5ヶ月 | 50〜60cm | 6〜9kg | 60〜70サイズ |
5ヶ月〜11ヶ月 | 60〜70cm | 9〜11kg | 70〜80サイズ |
なおあくまでも上表は一般的なサイズの目安であり、全ての赤ちゃんに対応するわけではありません。赤ちゃんの洋服選びは月齢で判断するのではなく、本人の身長や体重を見た上で決めるようにしましょう。
2.同じ綿でも素材が違う!オールシーズン使えるフライスは◎
前述したように、赤ちゃんの服は綿素材を選ぶのがベストです。しかし綿素材とひとことで言っても、その種類はガーゼ生地、天竺、スムース、フライスなど豊富です。
オールシーズン使える肌着として定番なのはフライス素材のものです。大人のTシャツやインナーなどにも使われるフライスは、伸縮性に優れており新生児期の赤ちゃんにもぴったりです。まず初めに揃えておくなら、フライス素材のものからチョイスしてみましょう。
なお春夏などの暑いシーズンなら、通気性に優れたガーゼ素材やフライスよりも薄手の天竺素材もおすすめです。一方で秋冬シーズンなら、フライスよりも厚く保温性や吸汗性に優れたスムース素材もぴったりです。フライス素材の肌着を揃えたあと、必要に合わせて選んでみましょう。
3.縫い目やタグが表に出ているものを選ぼう
短肌着やコンビ肌着など新生児の肌着は、縫い目やタグが表にでているのが一般的です。これは赤ちゃんの肌に直接刺激を与えないようにする工夫の一つです。大人の洋服とは見た目が異なるため違和感を感じるかもしれませんが、新生児の服選びでは重要なポイントになるので覚えておきましょう。赤ちゃんの肌着って縫い目もタグも表に来てるんだね!なんて優しい作り…… pic.twitter.com/eqGjrCEF8m
— 空豆 (@lazydaisymerry1) July 7, 2022
4.使用前には水通しをしておこう
赤ちゃんの肌に触れる肌着やウェアは、購入後そのままにしておくのではなく一度“水通し”をしてから使いましょう。水通しをすることでホルムアルデヒドなど有害物質のリスクを減らすことが可能になり、さらに新品特有の服の硬さ・ハリ感を和らげることができます。水通しには色移りや染料などの肌トラブルを回避したり、吸汗性を高めたりする目的もあります。
水通しは刺激の強い大人向けの洗剤ではなく、赤ちゃん用の洗濯洗剤を使って行うのがおすすめです。手洗いではなく洗濯機で行うのもOKですが、洗濯機を使用する場合は事前に洗濯機そのものを清潔にしておくことも忘れないでください。
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まとめ
赤ちゃんには赤ちゃんに合った肌着やウェアがあります。生まれてすぐに使うものになるので、出産準備の段階で何が必要なのかを考え、あらかじめ購入しておくようにしましょう。なお新生児や小さな赤ちゃんは、おっぱいを吐き戻してしまったり、おむつから漏らしてしまったりなど予想以上に服が汚れるケースがあります。肌着やウェアは洗い替えも含め、5枚程度は用意しておくのがおすすめです。